『モヤる言葉、ヤバイ人~自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』は読んで後悔なし!!!!買え!読め!

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メンタルヘルス

全然お仕事ができない状態になってからというもの、読書が捗って仕方なく、図書館通いにAmazonでポチー、楽天ブックスでポチー、メルカリでポチーな日々です。

バカスカ読んでるのでいちいち感想をブログやTwitterに書くことはないんですが、久々に、「これは書かねば」という本があったので、書きます。

アルテイシアさん著『モヤる言葉、ヤバイ人~自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』です。

おひとよしな人が理不尽に対処できるようになるための教科書

この本は、一言で言うなら「おひとよしな人が理不尽に対処できるようになるための教科書」みたいな感じ。

もしかしたらわたしのこと、お人よしとは対極の人間だと思っている人もいるかもしれませんが、わたしも、かなりのお人よしです。

というか、適切に怒れないんですよね。

すっごく空気を読むので、おじさんのセクハラ発言やセクハラ行為は笑顔でかわすし、マウンティングしてくる人とか、クソバイスしてくる人に対しても怒らせないように、穏便にやり過ごすやり方が染みついている

けど、それって、消耗するんですよね。

若いうちはエネルギーがたくさんあるので大丈夫なんですけど、年々、消耗します。

セクハラとかマウンティングとかさまざまなハラスメントとかそういうので、少しずつ自尊心が削られていくんですよ。

そこでようやく、「このままじゃだめだ!それに、今の若い子にはわたしと同じ思いをさせてちゃだめだ!!」と悟ります。

そんな悟りの境地に達したアラサー、アラフォー以上の女子に、金言を与えてくれるのがこの本だと思います。

あ、女子に限らないです。
女性を追い詰めている問題は、実際には男性も追い詰めていたり、男性も被害を受けていたりするものですし、性別や年代問わず、興味を持った人はみんな読んでほしい本です。

やっぱり、おかしいことや理不尽なことを我慢してちゃだめで、かといって真正面から戦うのが吉とも限らず、じゃーどうすればいいの??ってなるわたしたちは、とにかくこの本を読んで、真似できるところから真似していくのが良いです。

また、まだ悟ってない人を目覚めさせる効能もあるかと思います。

悟る前の人は、「そっか、これって怒るべきことなんだ」とか「こうやって対処すればわりと穏便にNOが言えるんだ」とか気づけます。

繰り返し読んで、対処法を身につける

この本には、「愛想笑いで流さず、かといって相手を怒らせることなく、ちゃんとNOを伝える方法」が詰まっています。

その半分(以上?)はちょっとふざけすぎてて現実味がない部分もありますが、ふざけた書き方はアルテイシアさんの持ち味だし、敬遠する人も多いフェミニズムの問題をとっつきやすくするためのオブラートみたいなものでもあるので、そのエッセンスをきっちり吸収できれば問題ないです。

たとえば「プーチン顔」や「ネズミ返し」など、キャッチーなネーミングの対処法がてんこもりで、全然うまく怒れないわたしには、情報量が多すぎるのですが、ひとつずつでも真似できれば、今よりもっと快適に過ごせるはずです。

本書の内容は「吐き気がするほど嫌なハラスメントの実例とその対処法」が次々に紹介されているというものなのですが、そんなヘビーな内容と感じさせないほどに、終始おかしみ満載で綴られているので、ゲラゲラと笑いながら読めます。

逆に言うと、電車の中で読むのはちょっと厳しいです。

けっこう下品な表現も多いのですけど、それも含め面白いです。

価値観のアップデートをしていこうよ、というメッセージ

この本で通して訴えかけていることの一つは、価値観のアップデート、というものです。

さまざまなハラスメントに関しては、「昔はよかった」とか「今は何も言えない」とか言う人もいらっしゃいますが、それを言っているのは、完全に強者側、加害者側なんですよね。

本書にも出てきますが、女の人が「昔は気軽にお尻を触ってもらえてよかった」とか言ってるの、聞いたことないですよね。

「昔はよかった」んじゃなく、本当は「昔は被害者側が黙るしかなかった」ってだけなんですよね。

でも、それは弱者側も同じで、女性であっても無意識に男性に対してセクハラしてたり、同性である女性に対して配慮に欠ける発言をしてることもある。

「自分は大丈夫」「自分には偏見がない」なんて思わず、自分自身もちゃんと価値観をアップデートしていかないと、と、アルテイシアさん自身も綴っています。

わたしは怒る方法をマスターしたい

わたしを知っている人からすると意外に思われるかもしれませんが、わたしは適切に怒ることができません。

幸い、仕事はデキるほうだし気も強いほうなので、仕事上ではわりとはっきり言うほうではありますが、それでも、セクハラやパワハラといったハラスメントに泣き寝入りした経験は数知れず。

なんならセクハラについては、小娘のころには「笑顔でかわすのが大人の女」「隙を見せるほうが悪い」みたいな価値観を持っていたこともありました。

悪い人に「あなた悪いよ」とはっきり言うのは怖いし、言ったところで伝わらないどころか自分の立場が悪くなるだけだったりしてしまうのが今の社会だと思いますが、その中で、ちゃんとNOを伝え、あわよくば相手が少しでも何か気づいてくれたら。

そうやって、行動を起こせる人が起こして、少しずつ社会を前進させてきたのだと思うし、今後もそうなっていくべきだと思います。

わたしは、適切に怒ることができなくて恐怖で体が固まって声が出なくなってしまったりするのですが、この本を何回も読んで、ひとつずつ、できそうなことから実践していきたいです。

「認知のゆがみ」は、自覚できないからこそ「認知のゆがみ」なんです

加害者側の人、たとえばストーカーの人とかって、認知の歪みがすごいですよね。

相手がNOと言っていても怯えて逃げていても、「そうやって誰かに言わされている」「彼氏と言っているあの男は、彼女を脅してそう言わせてる」とか、自分に都合よく解釈してしまう。

ただこういう歪みって、人間には誰にでも少しぐらいはあるんじゃないかなとも思うんです。

本書にも出てきますが、たとえば男性は、タクシーの運転手から説教された経験がある人はほとんどいないと思います。

だから、女性が被害を訴えても「そんなことある~???」「勘違いなんじゃないの?」なんて言ってしまったりする。

性差別に限らず、ありとあらゆる差別問題では、差別する側に、無意識の偏見や認知の歪みが存在するはず。

悪意を持って差別をする人は少ないです。
無意識に、無邪気に差別する人のほうが圧倒的に多く、無意識だからこそ被害者も指摘しづらかったり

こういう問題を考えさせてくれるのも、この本の効能のひとつです。

誰もがラクになれる生き方の教科書だから、本当に買ったほうがいい

この本、タイトルは『モヤる言葉、ヤバイ人~自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』なんですが、シンプルに『言葉の護身術』にしたほうがよかったんじゃないかと、個人的には思います。

一見なんの本かわからないし、わたしも「アルテイシアさんの新刊だ~」ってだけのノリだったので……。

でも読んでみたら本当に、言葉の護身術が満載。
はっきりNOが言えない人にはぜひ読んでほしいし、そうじゃなくても嫌な場面での対処法のヒントがほしいなら読んで損はないはず。

わたしは読んで、本当によかったです。