「疲れたから休む」
って、わたしは、
「のんびりする」
「ゆっくりする」
「ぼーっとする」
「栄養があるものを食べる」
「寝る」
というイメージを持っていました。
たしかに、体が疲れているのであれば、栄養があるものを食べて、寝て、あとはゆっくり過ごすことが大切です。
身体的な病気のときもそうですね。
でも、わたしたち現代人が「休む」場合、その多くは実は体の疲れではなく、心の疲れ・精神的な原因で休むのではないでしょうか?
そして、心を休ませるための方法は「栄養があるものを食べて、ゆっくり過ごして、たっぷり寝る」ではないんです。
わたしは昨年、メンタルがやられて1か月ほど休んだのですが、心を回復させた方法は、わたしが思っていた「休養」とは、違うものでした。
「うつ」になったときの休み方を誤解していた
「うつ」になった人には休養が必要ですが、わたしはそれを「とにかく無理をせずゆっくりすること」ぐらいにしか思っていませんでした。
アラームをかけずに寝たいだけ寝る。
ただし昼夜逆転は避けて、午前中に起きて、散歩とかする。
あとは部屋でごろごろする。
少し元気になってきたら昼間も散歩する。
食事は栄養のあるものをバランスよく、規則正しく食べる。
みたいな雑なイメージ。
仕事もせず、寝て散歩するだけの生活ってめちゃくちゃ暇だと思うんですけど、それが「王道の休み方」だと思っているフシがありました。
そして、睡眠や食事については「規則正しく」することが大事だと思っていたのですが、いや、たしかに大事なのですが、規則正しく寝ることや栄養のある食事を用意することが、そもそも難易度が高いことに気づきました。
もちろん、こうした休み方で回復する人もいるかもしれないので完全に間違いとは言いませんが、でも、心の休養って、実際にやってみると全然違いました。
心の休養は「やりたいことをすること」
心を休める方法について一言でまとめるとしたら「やりたいことだけをすること」だと思います。
わたしもそうなんですけど、うつ状態になるほど心が疲れ果ててしまう人って生真面目というか「~べき」とか「~しなければならない」といった思考グセがあるんですよ。
それをやめない限りは心は休まらないというか。
義務だからとやりたくないことをやり続けた結果、疲れてしまうんだと思うので、それをやめないと。
だからまずは、「やりたくないことはやらない」。
そして、「自分がやりたいことが何かを考え、実行する」。
そうそう、うつ状態にまでなってしまうと、そもそも自分が何をやりたいのか、自分が何を好きなのかもわからなくなる気がする。
わたしの場合はそもそも、基本的にこだわりや好きなものが極端に少なかったように思う。
「こだわりが少ないほうが生きやすい・こだわりが多いと不便が多そう」と考えていただけど、多分、逆です。
こだわりが多いほうが「わたしはコレ!」ってすぐ選べるし迷う必要もなければ周りの人の顔色を見る必要もないし。
こだわりがなさすぎると、「わたしはなんでもいいから、相手に合わせよう」ってことばかりになってしまって、自分がなくなってしまいます。
だから休養するときもはじめは何をしていいのかわからなくなったけど、まずは「やりたくないことをやめる」から始めるといいんじゃないかな。
やりたくないことをやめてしまえば、体力や時間が余るので「久しぶりに本屋さんでも行ってみようかな」とか、自分が好きなことを思い出しやすくなると思います。
よく、うつなどで休養している人が遊んでいたりすると「元気やん」「仮病じゃない?」なんて疑う人がいますが、それは絶対に違う、と言いたいです。
うつになった人は一日寝ておけってこと?
病気なら何もできないはずだと思ってない?
重症度にもよるでしょうが、風邪でも動ける人がいるように、なんでも個人差があるし、他人の休み方にケチつけてはいけません。
他人のことをあれこれ言いたくなる人は、その人自身がだいぶお疲れだと思うので、しっかり心を休めたほうがいいと思います。
心を休めるのに有効だったこと。わたしの場合。
もう少し具体的に、わたしが休養時にしたことについても言及しておきます。
わたしは臨床心理士さんの判断で休養することになったのですが、そのとき「やりたいことだけやってください。好きなことをして過ごしてください」と言われました。
そう言ってもらわなかったら、生真面目に布団の中で1日過ごしていたかもしれない・・・。
とはいえはじめはとにかく気力ゼロというか本当にエネルギーがすっからかん状態だったので、1日中ぼーっと、ひたすらツムツムをやり続けるみたいな状態で3日間ぐらい過ごした気がします。
けど、休んでいるうちにちょっと何かしてみようかという気になったので、それからはこんなことをしていました。
- 本屋さんに行く、気になる本を買う
- 本を読む
- 面白かった本はレポートを書く
- せっかくなのでブログにも書いて下書き保存する
- カフェでカフェラテを飲んで本を読む
- 家の片付けをする
- 収納用品を買い足して家の中を整理整頓する
あと、精神的に疲れてくると家事をする気力も失われていき、荒れた家を見てまた自己嫌悪するという悪循環に陥りがちですが、休養時には家事をするのも癒し効果がありました。
家の中が片付くと気分もスッキリするというのもありますが、「最低限の身の回りのことをきちんとする」ということも、心を回復させるためには有効だと思います。
身の回りのことをきちんとするというのは、自分自身のことを大事に扱うってことなんですよね。
わたしはすぐ家が荒れるタイプ、つまりすぐ自分のことを後回しにしてしまうタイプだったのですが、この休養をきっかけに、身の回りのことはきちんとするようになりました(まだまだ低レベルだし修行中ではありますが)。
こうして自分がやりたいことだけやっていくうちに、自分が好きなことについても見えてきます。
心がへとへとの状態ではいくら考えてもわからなかったけど、まず「やりたくないこと」をやめて、気が向いたことだけやる生活を続けるうちに心は回復していくし、やりたいことも増え、「やってみようかな」という気力もわいてきますよ。
やりたくなくても「やらなければならないこと」はあるけれど、それが本当にやらなければならないことなのかも、考えたほうがいいですね。
そういえば、わたしは「やりたくない」と思って、住民税第2期の支払い(8月末期限)をしませんでしたw
※もちろん、後日払いました
体を休めるのももちろん大事
心の休養に必要なのは、ただ寝るだけとかただ何も考えないようにするとか、そういうことではありません。
自分がやりたいことだけやる・好きなことをする、好きなことがわからなければ考える!
それが、心の休養には必要。
だけど、心が疲れ果ててるときって体にも不調が出ていると思うし、体を休めるのももちろん大事です。
わたしは不眠気味になっていたので、とにかく寝ることを意識しました。
軽い睡眠導入剤を少し使ったりもしました。
(※不眠やうつ状態への対応は自分で判断せず、お医者さんや臨床心理士さんなどと相談の上、治療方針を決めてください。)
少し回復してきたら、良質な睡眠をとるために筋トレしてみたり、昼のうちによく歩いたりしました。
筋トレは今でも続いています。
体と心はつながっているので、体だけ、心だけ、と偏った対策をするのではなく、バランスをとって休むことも大事ですね。
とはいえ、本当にしんどいときはそこまでバランスとかも考えていられないし、考えてられないというか、脳みそが機能停止したみたいに、わたしも本当に思考力を失っていたので、考える必要ないです。
とにかく「やりたくないことはやらない」「やりたいことだけやる」。
それだけを意識して過ごすことが、「心を休める」唯一の方法じゃないかなと思います。