やせられない理由、やせても不幸な理由。『「幸せにやせたい人」の心の教科書』はダイエッターなら一度は読むべきかも

スポンサーリンク
メンタルヘルス

ダイエットはわたしの人生にはなくてはならないもので、心身の健康のために、体重や体型を適正に保っておきたいと思っています。

ダイエットをする理由は人それぞれですが、中には、摂食障害になってしまう人もいますし、そこまではいかなくても、太るのが怖くて必要以上に節制していたり、生活がダイエット一色になってしまって食事を楽しめなくなってしまったり、そんな人もいます。

なんでダイエットをするかって、究極的には「幸せになるため」だと思いますが、いくら痩せていても不幸な人や、ダイエットしても全然痩せられずリバウンドを繰り返す人は、幸せから遠ざかってしまっていますよね。

そうじゃなくて、「痩せて、幸せになりたい」んですよね。
蛇足ですが、幸せかどうかは体型で決まるわけじゃありませんから、太っていても幸せ、ダイエットしなくても幸せな人も、世の中にはたくさんいます。

で、最近読んだ『「幸せにやせたい人」の心の教科書』が、全ダイエッターが読むべき本だと思ったので、紹介させていただきます。

「私」と「ダイエット」の主従関係が逆になると不幸になる

著者は精神科医の水島広子さんで、ダイエット以外にも、人間関係や心に関する本をたくさん出されている方です。

この本は2011年に出版された本を2019年に再編集・出版されたもの。そのため、ほんの少し内容が古い感じはします。

10年以上前なので、今よりルッキズムへの配慮が弱かったり、あと、自己肯定感という言葉について最近の本よりも丁寧に解説されていると感じました。当時はまだ自己肯定感という言葉が今ほど一般的でなかったんでしょうね。

で、内容としては、タイトルの通りで、幸せにやせたいならどうしたらいいのか、どういうことに気をつければいいのか、ということが書かれています。

詳しいことはぜひ読んでみてほしいのですが、わたしなりにまとめると、「ダイエット」と「私」の主従関係がひっくり返っていないか気をつける必要がある、という感じ。

結局、ダイエットしたり痩せていても幸せになれずむしろ不幸になっちゃう人って、ダイエットに振り回されているんですよね。

「自分のためのダイエット」のはずが、「ダイエットのための自分」になっている。

我を忘れる、理性を失う、みたいな状態とも言えます。

「とにかく痩せたらなんでもいいんだ!」という反論があるかと思いますが、そう思ってしまっている時点で、主従関係がひっくり返っています。

いやほんと、詳しくは本読んで。

「痩せさえすれば、多少の犠牲を払うぐらいなんでもない!」と思っていても、実際、それで心を病んで死んでしまうとか、仕事ができなくなっておしゃれな服も買えなくなるとか、家族も友達も恋人も失ってしまうとか、そんなの望んでないですよね?

「それは痩せてから考える。今はとにかく痩せるのが優先!」と思う人も、いったん立ち止まって、冷静に考えてほしい。

ダイエットに限らず、なんでも焦ったら負けです。

この本を読むのでもいいし、本を読むのが面倒であればサクッと精神科に行って相談してもいいと思います。

さまざまなケースが紹介されていて参考にしやすい

本書の紹介をもう少しだけ。

本書の中では、さまざまな具体例が出てきます。例はすべて女性ですが、いろんな年代、いろんな体型、いろんなダイエット法、その結果どうなったのか。

他人の話として読むと「そりゃ危ないよー」とわかりやすい部分もありますし、「でも、これに近い状態になったことがあるかも」と気づいてギクッとしたりも。

でも、ギクッとできたほうが、「じゃあこういうときはこう対処しよう」と対策がしやすいですよね。

あと、育った環境や家族との関係等、ダイエット以外の話(でもダイエットに関係ある話)も入っていて、そこは精神科医ならでは。わたし自身も、自分のありのままの姿を肯定されて育ってないので思い当たるフシは大いにあり、本気で「気をつけよう……!」と心に誓いました。

自分のためにダイエットをしているはずのに、主従関係がひっくり返りコントロールを失ってしまうと、摂食障害等のリスクももちろんありますし、あとシンプルに、いつまで経っても幸せに近づけない。

ダイエットそのものじゃなく、家族との関係など、ダイエット以外の問題があって、それがダイエットの邪魔をしているパターンも相当にありそうだと思ったので、ダイエットを成功させたい人こそ、とにかく立ち止まって、この本を読んだりして、自分と向き合ってみてほしいと思います。

わたしのダイエットはコントロールを取り戻すための手段であり自己実現

翻って、わたしの話をしますと、わたしはダイエットに主導権を握られたことは無いんじゃないかな、と思いました。

わたしにとってダイエットとは、むしろ自分を取り戻すための手段であり、自己実現のためにやっているものです。

ダイエット→太る→ダイエット……と繰り返してきたけど、わたしは「ダイエットのストレスで過食してリバウンド!」みたいな経験はありません。

わたしが太るのは、「自分以外の何かに自分の主導権を握られたとき」です。

たとえば転職後に慣れない仕事で余裕がなくなって一時的に太っちゃった、というケース。これは誰しもがあることですよね。

仕事に慣れて余裕が出てきたら自然と痩せるか、ちょっとダイエットすればすぐ戻ります(フリーランスになってからしばらくはそんな感じだった)。

ただ、病的な太り方も何度もありました。

ACでHSPなので、結婚して他人と生活すると、必ず太ります(過去の結婚2回とも太った)。食べるものも食事のタイミングもトイレや入浴のタイミングもすべて気を使いすぎて相手中心で考えてしまうし、「これ食べる?」と聞かれたら断れないし、ダイエットするから誘惑しないでと言ってるのに「本当に食べない?」みたいに聞かれるとつい食べてしまうし、頑張って断ったら断ったで相手が不機嫌になって、ますますNOと言えない状況に追い込まれていくという。そしてなんでそんな男と結婚したんや、と自己嫌悪に陥るっていう。

あとこの数年も、過度のストレス状態が長らく続いて太ったし、極めつきは昨年の事件でPTSD、これはもう太って当たり前の状況ですね、1年足らずで9kg太りました。

逆に、ダイエットに成功するときって、自分以外によるコントロールを断ち切って自分のための生活をしたときなんです。

離婚すると決めたら相手に遠慮する必要もないのでダイエットがはかどりサクサク痩せます。2020年にダイエット成功したときも、この数年のストレスフルな状態から一時的に脱しつつあったときで、カウンセリングもあったので、心が健康な状態でした。

そのときから気づき始めたことですが、わたしの場合、自分の人生を取り戻すためのきっかけ・手段としてダイエットを使っているみたいです。

ダイエットが成功するということは、自分の心が健康で、誰にも何にも気を使いすぎず、自分の人生を生きているという証拠。

太ったり、ダイエットがうまくいかなくなったら、なにかに主導権を引き渡してしまっている証拠なのです。

だから理想は、このままダイエットが成功して、身軽な体をキープすること。

わたしは「痩せてる=美しい」とか「太っている=醜い」みたいな価値観ではないのですが、自分の体を良い状態に磨き上げる感覚が好きです。修行的な。

体脂肪が少なく筋肉がそこそこついていると体が軽く、身動きがしやすいので、言葉通り「フットワーク軽く」動けるのも快適です。

そんな理由で、わたしはこれからもダイエットをします。

最後だらだらと自分語りになってしまいましたが、自分にとってダイエットとは何なのかを考えるのは有意義なことだと思います。

『「幸せにやせたい人」の心の教科書』は、そのきっかけにはぴったりな本でした。