ちきりんリノべ本を読んだ感想。「共同プロジェクト型取引」にピンとこない人にはわたしも伝えたいことがある

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読書レポート

生まれてこのかたずーっと賃貸住まいのくせに、ちきりんさんのリノベ本を買って読みました。

「徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと」

「いずれは自分の家を買って自分好みにリノベして暮らしたい」という夢があるってのもありますけど、

やっぱり「ちきりんさんがリノベ本を書いたらどんな感じになるんだろう?」っていう興味が、一番の買った理由。

あとわたし、実はリフォーム会社のコラムを2年間ぐらい担当してた(ゴーストライターしてた)時期があって、妙に知識だけはあるんですよね!
そんな仕事を受けるぐらいだから、もともと興味もあるし。

結論から言うと、この本はリノベを考えている人は絶対に読んだほうがいいし、今すぐじゃなくても「いずれはリノベなりリフォームなりするよなぁ」という人も、今のうちに読んだほうがいいです。

ただこのブログでわたしが述べたいのはリノベの話じゃなくて、「共同プロジェクト型取引」についてなんです。

共同プロジェクト型取引という概念を知っておくべき

あんまり「~すべき!」みたいなことは言わないほうがいいんですけど、それでも今回は「知っておくべき!」と強く言いたい。

共同プロジェクト型取引、という概念と、そのプロジェクトを成功させるための考え方を。

自宅のリノベはもちろんのこと、結婚式なんかも、共同プロジェクト型取引です。

あと、ライザップやダイエットエステ、塾なんかもそうかな~と思う。

リノベ本では、医療を例に解説されていました。

34ページあたり。

要は、病院に行くとお金を払うけど、「1万円払うから健康な体ください」とかいって健康をもらえるわけじゃないよねって話。

問診ではどこが痛いとかいつからしんどいとかを自分でちゃんと思い出して言わないといけないし、お医者さんに言われたこと(服薬など)をちゃんと守らないといけない。

コンビニでお茶を買うみたいに、お金とモノをポンと交換できるタイプの取引もあるけど、一方で

「顧客側も協力しないと成果物が手に入らないタイプの取引」=共同プロジェクト型取引

もある、ということなんですね。

こういうことを分かっていないと、「お金払ってるのに!!」と理不尽にキレたりするクレーマーになっちゃうんだと思います。

またクレーマーとまでいかなくても、「これは共同プロジェクトなんだ」と分かっていないと、プロジェクトは成功せず、せっかく大金を払っても不満足な結果に終わります。

プロジェクトのメンバーとして必要な情報提供をおこなうべき

あ、また「べき」って言っちゃった。でも、べきなんだよ。

共同プロジェクトである以上は、お客さんだろうが大金を払っていようが、というか、自分がお客さんだからこそ、ちゃんと協力しないといけないんです。

自分のためだよ。自分のお金を無駄にしないためだよ!

自分自身の希望をしっかり伝えること。
「だいたいこんな感じで、あとはよくわからないんでおまかせ~」じゃ、ダメなんです。

分からないことは調べたり聞いたりしながら、きっちりと自分の要望を伝えていく。
十分な量伝えていく。十分に分かりやすい形で伝えていく。

ちきりんさんも、画像を使ったりもしながら、自身の要望をしっかり伝えたそう。

その際、画像もつけた、A4サイズ14ページにもわたる「リノベ要望書」を作成して渡したそう(132ページ)。

その狙いは、自分の希望をきちんと伝えるためともう一つ「わたしがどういうタイプの客なのかを理解してもらうため」とありました。

詳しくは本を読んでくださいね。具体的でめっちゃ勉強になるので。

「お金払ったんだから」と丸投げすると、担当者に自分の希望が伝わらないし、お金が無駄になっちゃいますよね。

お金だけじゃなく手間も情熱もかけて、きちんと情報提供すべきでしょう。

具体的に、どれぐらい協力すべきか?

リノベ本を読んでわたしも、自分の結婚式のことを思い出しました。

どれだけ多くの資料を用意したことか・・・。
そしてそれを熱心に丁寧に伝えまくりました。

これで、わたしの好みを正確に理解してもらうだけでなく「この人いつも返事早いしきっちりしてるしお金もちゃんと払ってくれそうだけど、こっちもきっちり対応しないとクレームになりそう」と感じてもらえたと思うんですよね。

当時、フラワーコーディネーターさんに見せた画像はこんな感じ。

イメージに近い色、使いたい花やアイテムのほか、「これ以上ごちゃごちゃしてるのは嫌」みたいな希望も伝えました。

詳しくはこのあたりの記事に書いてましたね。
参考:結婚披露宴でブーケなど装花費用を安くしつつ満足度の高い装花を作る方法-ノマド的節約術

そりゃ手間はかかりますが、自分の好みぴったりの装花だったので満足度めっちゃ高かったですよ。

いや、こだわりがなければ「おまかせ」でいいと思うんですけど、こだわりがあるなら伝えるべきですよね。
遠慮せずに。

遠慮する意味もわからないし。
リノベにしろ結婚式にしろ、お客さんの希望がわからないと担当者も不安だろうし、いろいろ希望を聞かせてもらうほうが安心して進められると思うんですけど。

痩身エステとかもそうですよね。
効果ないとか言って怒ってる人いるけど、共同プロジェクトなんだから、勝手に痩せるわけないやんね。

食事制限とかの指導を守るのも大事ですが、まずは自分の要望を伝えるっていうのも必要。

エステって勧誘がうざいですけど、自分の希望をきちっと伝えておけば、無駄な勧誘は避けられるんです。

わたしははじめに「前のエステをやめたのは毎回勧誘されたからです。契約するかどうかは自分で決めるので、コース説明などの情報提供にとどめてください」と言います。

その代わり、どの部位が気になるとか、どんな施術が好きとか、そういう自分からの情報提供は惜しみません。

エステの場合でも、理想の体型の芸能人の写真とかを持参するとイメージしてもらいやすいですね。

あ、美容院もそうですよね。
「おまかせ」じゃなく、自分のイメージに近い写真を持参したり、「めっちゃ不器用でブローがうまくできないので、ブローなしでも決まる髪型が理想」とか「小さい子どもがいる(だから手間のかかる髪型は嫌)」「人前で話す仕事なので明るい髪色は無理」とか、そういう情報提供をとことんすることで、満足度も高くなります。お互いに。

お互いになんでも言える関係を築くべき

共同プロジェクト型取引をするときにはこのように、協力してプロジェクトを進めていくことになります。
だからこそ遠慮したり見栄を張ったりすることなく、正直に意見が言い合える関係を作るべきなんですね。

リノベ本にも「問題は起こって当たり前」「それをどう共に解決するかが重要」と書かれています。

希望は伝えるけど、それが叶うかどうかは分かりません。
そのとき、どこを妥協して、どう工夫して希望の形に近づけるかは、自分が担当者と共に考えるんです。

美容院でどれだけ希望を伝えても、顔の形や髪質によっては難しい場合もありますよね。
そのときにどう対処していくかは、美容師さんと一緒に自分も考えていくことになります。

そのとき、お互いに遠慮して正直に言えない関係だと、美容師さんが無理に「それっぽい感じに近づけよう」として、めっちゃ微妙な髪型にされちゃうかもしれない。

自分も正直に不満を言えず「あ~・・・いい感じですね~・・・」みたいになっちゃうとか。

だからわたしの場合は、すごくきめ細やかな対応をしてくれたり気遣いができるような人よりも、とにかく「ノリがよくていじられキャラ」みたいな人だとありがたいです。

言いやすいから。

で、軽い感じで「でも、これってこういう理由で無理なんすよね~」と言ってもらえると、やりやすい。

あんまり真面目に深刻に言われると泣きたくなるから……わたしが真面目なタイプだからさ……。

そういう自分の傾向がわかっていると、また共同プロジェクト型取引をするときに担当者との相性も見極めやすいですね。

「お客様」だからこそ、わがままに希望を伝えてプロジェクトを成功させよう

共同プロジェクトという考え方をしない人からしたら、「自分がお客様なんだから、相手がわたしの要望を想像して最高のものを作るべきでしょ」と思うかもしれませんが、そんなの無理だと思います。

担当者任せにしてうまくいったとしてもそれは「偶然」であって「必然」ではありません。

共同プロジェクト型取引をするときには、自分がお客様だからこそ、自分が満足するものが出来上がるように、自分も手間暇をかけてプロジェクトにかかわっていくほうがいいです。

自分の希望を伝えることと、「相手に自分の希望を強要すること」は全く違います。

無理難題を強要するのはただのモンスターですが、自分の希望を伝えつつプロジェクトを進めることができると、逆に「いいお客さん(やりやすいお客さん)」になるんじゃないかな。

と、そんなことを「リノベ本」を読んで考えたのでした。

この本、リノベ本としても純粋にめちゃくちゃ勉強になるし、普遍的な内容がほとんどなので今後10年ぐらいは余裕で使える本だと思います。

気になってる人は、気にしてる時間がもったいないのでさっさと買ったほうがいいですよ~

ちなみにわたしが一番笑ったのは168ページの写真13-b「コンビニのアイスクリーム売り場を自宅に!」です。