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水耕栽培は土を使わずに野菜や花を栽培できる方法ですが、そのやり方は千差万別です。
ちょっと興味があるから調べてみようとネットで検索してみても、あまりにいろんな方法があるため、初心者・入門者は混乱してしまいます。
気軽に試してみたいのに、いきなり3万円以上する本格的な装置が紹介されていたり。
わたし自身も、軽い気持ちで水耕栽培に挑戦してみて、いろいろ調べているうちに混乱したんですよね。
そこで、水耕栽培の種類や基礎知識についてまとめることにしました。
水耕栽培にはどんな種類があるのか分かれば、自分自身がやりたい方法を見つけやすくなります。
たとえば家庭菜園にしても、畑を借りて本格的な機材を使いたい人もいれば、小さなプランターで小ぢんまり楽しみたい人もいますよね。
水耕栽培もそれと同じ。
いろんな楽しみ方があるので、どんな楽しみ方があるのかを知って、自分の好みの方法を選べるようになりましょう。
水耕栽培、基礎の基礎
そもそも水耕栽培とはどういう栽培方法を指すのか?
先に整理しておきます。
- 土を使わず、水から養分を吸収させて育てる
- ただの水ではなく肥料を混ぜた養液を使う
- 水に浸けるだけでは作物が沈むので、作物を固定できる仕組みが必要
- 根が酸欠にならない仕組みが必要(土だと酸素不足にならない)
- 水やりの代わりに「養液の補充or入れ替え」が必要
肥料については、水耕栽培向けの肥料を使います。
土耕栽培用の肥料とは中身が違います。
必要なものはショップにまとめたので参考にどうぞ。
あと「作物を固定できる仕組み」というのは、たとえばこういうことです↓
土耕栽培と違い、水耕栽培では酸素不足にも注意しなければなりません。
具体的には、養液中に酸素が含まれている状態にする必要があり、本格的な水耕栽培になると、エアーポンプを入れたりもします。
さらに、土耕栽培と違って必要になってくるのが以下2点。
- 養液の温度管理
- 養液の藻対策
土よりも、水のほうが温度が変化しやすく、冬は凍結に注意。
夏は高温になりすぎて酸素不足になったり、さらに高温になると作物が茹だってしまうことも……。
高温になりやすい場所で育てる際には、発泡スチロールの容器などを使って対策します。
それから養液の藻対策も必要です。
植物には光が必要ですが、養液にも光が当たってると、養液を入れている容器に藻が生えてしまい、作物の生育に支障をきたすこともあります。
容器内には光が入らないように、遮光シートで覆うなどの対策をすることになります。
水耕栽培を分類するための基準はさまざま
ここからは、水耕栽培の種類の話。
水耕栽培と言ってもいろんな方法があるのですが、まずはそれを分類する基準について紹介します。
お金をかける・かけない
お金をかけるかどうかで、全然やることが変わってきます。
趣味として、本格的な装置を使いたい・どれぐらい収穫できるものか挑戦したい、みたいな感じだとどうしてもお金をかけることになります。
逆に、節約のために家で野菜を育てたい、みたいな場合はなるべくお金をかけない方法を追求する方向性になります。
収穫量を追求する・しない
収穫とかはどうでもよくて、とりあえず水耕栽培というものを実践してみたい、という人もいます。
そもそも野菜ではなく花や観葉植物を育てたいという人もいますし。
一方で、たくさん収穫して食べたい!という人もいますし、趣味として収穫量、というか数字を追いかけたい人もいます。
あと、本格的に売りたい、とか。
装置を自作する・しない
水耕栽培に使う容器・装置を自作したい人と、市販のものを買いたい人がいます。
水耕栽培用の装置は簡易的なものから本格的なものまでさまざま売られています。
しかし、自分で試行錯誤しながら究極の装置を追い求めたい人や、節約のために100均グッズで手作りする人なども。
そもそもDIYが好きという人もいますね。
屋内・屋外
水耕栽培は土を使わない分、屋内でも実践しやすいです。
屋内だと虫の心配がほとんどなく、気温も花粉も気にせず、スッピンでも気にせず楽しめるのがいいところ。
一方、照度では断然、屋外の方が優れていますし、ベランダや庭のほうがスペースも広く使える場合が多いかと思います。
照明を使う・使わない
主に屋内での話になりますが、LEDライトなどを使うかどうか、という問題もあります。
屋内だとどうしても照度が低くなりますので、LEDライトなどで人工的に光を当てたほうが生育が良くなります。
ただ、見た目が物々しくなりますし、電源の問題もあります。
十分な照度があるサンルームや出窓がある家なら照明がなくてもかなり育ちます。
多少生育が悪くても、見た目重視で物々しいライトは使わない、という選択肢もあります。
見た目を重視する・しない
前述のとおり、照明を設置しないほうがナチュラルな雰囲気になります。
また、容器もおしゃれなものを使ったり、育てる植物もおしゃれなものを選んだりと、見た目を重視する人もいると思います。
逆に、見た目はおしゃれじゃなくても、収穫量を追求したい人だっています。
水耕栽培の種類をざっくり5種類に分けてみた
というわけで、水耕栽培と言ってもいろんな要素があり、何を重視したいかによって選ぶ方法がかなり変わってきます。
ここまで紹介してきたような基準をもとに、水耕栽培の方法をざっくり5種類に分けてみました。
以下から紹介します。
LED栽培キット:手軽に収穫量を追求したいタイプ(屋内)
まずは、LED栽培キットを使って「手軽に収穫量を追求したいタイプ」。
屋内向きです。
既製品の装置を使って、家の中で手軽に、かつしっかり収穫量も期待したい人。
デメリットは、初期投資がけっこうかかること。
はじめにこういう装置を購入する必要があります。
価格は1万円前後から3万円超ぐらいまで。
でも、自作でも同じクオリティを目指すとそれなりにお金はかかるし、しかも自作だと見た目の良さが犠牲になりがち。
収穫量・手軽さ・見た目の良さを重視したいなら、この方法が良いと思います。
栽培キット(LEDなし):手軽に簡単に挑戦したいタイプ(屋内)
LED照明ナシの、簡易的な水耕栽培キットを使って「手軽に簡単にお安く試してみたいタイプ」。
費用は数千円程度。
窓辺など明るい場所に置いて栽培します。
装置の手作りは面倒くさい・自信がない、でもそんなにお金はかけたくない、という人向け。
収穫量はそこまで期待できませんが、簡単に水耕栽培が体験できます。
ペットボトル自作装置:安く簡単に試したいタイプ(屋内)
「とにかくお金をかけずに、水耕栽培をやってみたい!」というタイプ。
それなら容器代すらかからない「ペットボトル装置」がオススメです。
肥料や種など最低限のものは買わなければなりませんが、これが一番安く済む方法です。
少しの量しか栽培できませんが、水耕栽培を試してみたい入門者には良いと思います。
ハイドロボールに挿すだけ:見た目重視のおしゃれなタイプ(屋内)
スーパーで買ってきたネギを、根っこだけ残して水に挿しておくと、また伸びて食べられますよね。
無限に育つわけじゃないけど、1~2回再生させることは可能です。
豆苗なんかもそうですよね。
つまり、水に挿しておくだけでも多少なら育てられるということ。
たとえば、オシャレなガラスの容器にハイドロボールを入れて、そこに水(+できれば肥料)を入れて、ハーブの苗でも挿しておけばOKです。
簡単に、おしゃれな感じでグリーンを置きたいのであれば、こういう方法もアリですね。
簡単自作装置:DIYが苦にならず安く簡単に育てたいタイプ(屋内)(屋外)
なるべくお金をかけずにある程度しっかり収穫したいタイプ。
簡易的な装置を自作する方法で、これなら屋外栽培にも対応できます。
まず屋内で栽培する場合は、たとえばこんな装置。
ホットナイフがあれば、こんな感じでプラスチックのフタ付容器に直接穴を空けることもできます。
※容器は100均で売っているフタ付容器で、容量3Lぐらい。
屋外で栽培する場合は温度管理が必要なので、発泡スチロール製の箱を使いましょう。
↑これはダイソーで150円で売っている保冷バッグです。350ml缶が6本入るサイズです。
わたしはバーミキュライト(土のようなもの)で種まき→小さい容器で育苗→大きい容器に定植、という流れで栽培することが多いのですが、これは育苗用の装置です。
B5ほどの大きさで、深さは5cm程度。
ベビーリーフなんかだと、この容器で収穫までいけちゃう感じです。
……と、このように、自作装置はまあまあ沼要素が強いので、あれこれ実験したい・いろいろ手作りしたい、という人にはオススメですよ(わたしはこのタイプ)。
本格派自作装置:DIYが苦にならず収穫量を追求したいタイプ(屋内)(屋外)
最後は、本格的な自作装置を作ってガチで水耕栽培に取り組んでガンガン収穫したいタイプ。
屋内・屋外ともに対応できます。
屋内だと、LEDライトを使って工場みたいにする人が多いです。
わたしも憧れますが……今のところ手が回りません。
LEDライトは、普通のでもできますが、よりがっつりやりたいなら植物育成用のライトがよさそうです。
見た目は怪しげですが。
屋外だと、ほら見てください。ヤバくないですか?
環境と装置次第では、こんなに大きく育てることもできるわけですね。
お金も手間もすごくかかりますが、これはこれで楽しそうな方向性です。
まとめ
このように、「水耕栽培」と言っても費用や収穫量、手間などはいろいろです。
わたし自身はライトやエアーポンプなどをは使わない簡易的な装置を手作りしてちまちま楽しむのが好きです。
収穫量は、庭のプランター菜園で確保していますし(土には土の良さがありますよね~)。
自分がどういう方向性で楽しみたいのかが分かれば、それを実践している人のブログやYouTubeを参考にして始めることができますよ。
いろいろ試してみて、自分に合った方法を見つけてくださいね。