ミセス・パンプキン「一流の育て方」を読んだ感想。子育ての大事なポイントを再認識できる本

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読書レポート

「一流の育て方」という本を読みました。

著者はムーギー・キムと、ミセス・パンプキン。

わたしはミセス・パンプキンの連載を知っていたので読んでみました。

ミセス・パンプキンの人生相談室の記事一覧 | 東洋経済オンライン
ミセス・パンプキンは『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏の母親。一般的な家庭ながら、4人の子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた経験をもとに、読者の人生のお悩みにズバリ回答していきます。

感想をまとめておきます。

「一流の育て方」はこんな本

内容としては、ミセス・パンプキン自身の子育て経験や知見から子育ての方法を解説している感じです。

「一流の育て方」はこんな構成になっています。

  • 7章にわたって、子育てについて書かれている
  • はじめにムーギー・キム氏による導入的なパート
  • 本編の冒頭にアンケート調査のハイライト
  • ミセス・パンプキンによる本文
  • 最後に章のまとめ

アンケートは、一流の学生に対して実施されたもので、どんな育て方をされたか、どんな育て方をしてほしかったか、などを調査しています。

その結果を参照しつつ、どうすれば子どもを「一流」に育てられるか、というのを究明していく内容ですね。

構成がすっきりして分かりやすいのと、各章ごとにまとめが記載されているので一通り読んだあとはまとめだけ振り返ればすぐ思い出せるという点が良かったです。

「一流の育て方」を読んだ感想

各章の「まとめ」が非常にうまくまとまっているので、基本的にはまとめさえ押さえておけばOKだと思いました。

ただ本当にそこだけ読んでも理解が深まらないですし、「まとめ」にあるポイントへの理解を深めるために本文を読む、みたいな使い方がいいかと思いました。

個人的には、アンケート調査結果の紹介や、ムーギー・キムさんの解説はなくても大丈夫だったかな、と。

わたしがもともとミセス・パンプキンが好きだからそう思うのかもしれませんが。

本書は教育の専門家が客観的なデータをもとに子育てについて論じているものではありません。
だから、アンケート調査はべつにいらないかなーと。

客観的なデータや科学的な解析を知りたい、心理学的なアプローチを知りたい、という人は違う本を読んだらいいですしね。

先日読んだ「世界に通用する子どもの育て方」は臨床心理士が書かれた子育て本なので、比較的、客観的な話が多いです。

「世界に通用する子どもの育て方」読書レポート。子どもを幸せにしたい全保護者に読んでほしい本でした
子育て本って掃いて捨てるほどあるし、どれを読めばいいのかもよくわからなくなってしまいますよね。 わたしもかれこれ10年以上、さまざまな育児本を読んできたんですが、中にはしょーもないのもあるし、「それができたら苦労せーへんねん!」と思う...

この本の魅力はむしろ、ミセス・パンプキンという素敵な著述家が自身の子育て論を主観的に論じるところにあります。

なお、内容的には目新しいことがあるわけではないと思います。

だからこそ、「やっぱりこういうことが大事だよね」と再確認できる。

ただ、ワンオペ、シングルマザー、しかも貧困、みたいな環境で、「とにかく最低限の生活費を稼ぐだけで必死」みたいな状態だったわたしにとっては、「ここまでできたらそりゃいいよな・・・」と思ってしまう部分もたくさんあります。

心が弱っているときだと、卑屈な気持ちになってしまうかも。

「普通に中学受験をするような家庭」ではない家庭だと、ちょっと引く部分も正直あります。

とはいえミセス・パンプキン自身も反省をまじえながら書いておられるし、はじめからあれもこれもできる親なんてほぼいないはず。

今からでも、できる範囲だけでも、とにかく子育てに真剣に向き合って行けば、大きく間違えることもないな、と思わせてくれるのも、この本の良いところだと思います。

子育ての指針として心にとめておきたい言葉

「一流の育て方」には勉強や教育といったことだけでなく、コミュニケーションや教養など広い意味で「子育て」について書かれています。

わたしが「ここは特に、意識しておきたいな」と思ったところをメモしておきます。

  • 子どもに決めさせるが、アドバイスは十分に与え、選択肢を示す
  • 「人に迷惑をかけるな」ではなく「役に立て」と教える
  • 知的好奇心を刺激する、読書で知見を広める
  • 本気度を確かめて投資する、本気のことは簡単にやめさせない、真剣に最後まで続けさせる
  • 社交の場をつくる、異なる視点・価値観・感情を理解させる
  • 学習習慣を贈る、勉強のメリットを教える、勉強至上主義で育てない
  • 自制心、思いやり、教養、まっとうな金銭感覚を親の振る舞いで導く
  • プラス思考で明るくおおらかに、おおらかな環境で子どもを伸ばす
  • 無償の愛を注ぐ、信頼で子どもを包む

うちはもう息子が中学生なので、子育て本を読むとできなかったことばかりに目が行ってしまうこともありますが、今からできることもまだまだあると思います。

ちなみに、ミセス・パンプキン自身も反省していると書かれてましたが、「勉強のメリットを教える」というのは、わたしもあまりできていなかったんじゃないかと思いました。

大人からしたら当たり前すぎることって、「わざわざ教えなくてもわかるでしょ」とか思っちゃうんですよね。
勉強のメリットに限らずですが、子どもは知らないことだらけなので、大人が教えてやる必要があります。

勉強しろと言うだけでは、なんのために勉強するかわからず、「親に怒られないためにするもの」なんて思ってしまう可能性もあります(それでも、大人になってから正しく理解しなおしてくれたらいいのかもしれませんが・・・)。

自制心や思いやり、教養や金銭感覚においても、子どもは知らないことだらけなので、親が間違った振る舞いをしていると、それを常識として吸収してしまうんですよね。

だからこそ、まずは親が真剣に勉強する姿勢を見せるとか、教養人になるとか、親自身の振る舞いが本当に大切だと改めて思いました。

大切なのは「無償の愛」

親だって完璧ではないし、子育てって唯一の正解があるわけでもないし、失敗しながらでも手探りでやっていくしかないんですよね。

だから、失敗は仕方ない。後悔することがあっても仕方ない。

ただ、「無償の愛」だけは、絶対にあきらめてはいけないな、とわたしは思っています。

どんな親でも子どもを愛しているものですが、それが子どもに伝わっていなければほとんど意味がないので、それを伝えていく努力は必要ですし、口先だけで「愛している」と言うだけでなく、愛情をもって日々関わり向き合い続けることが必須だなぁと。

そこさえ妥協しなければ、手遅れになったり大きな間違いを犯したりすることはないはずだと思いたいです。