こんなに頭が良くて仕事もデキるのに、どうしてわたしは結婚生活がうまく送れなかったのかしら?
(この性格が原因かしら???)
いや、真面目に、「円満な夫婦と、結婚生活がうまく営めないわたしは何が違うんだろう?」と思うわけです。
離婚を決意する前も、なんとかならないか自分なりに考えに考えたけど、結局は修復することができず離婚に至りました。
※2018年1月に離婚
けど、昨年数か月間カウンセリングに通ったときに、わたしは自分自身の生育環境の問題と向き合うことになり、「そりゃ、夫婦関係を作るのが下手なのも仕方ないよな」と納得したし、「でもこのままじゃ嫌だから変わりたい」とも思いました。
現在は、夫婦関係に限らずあらゆる人間関係について、カウンセリングを通じて見つめ直し、改善しているところです。
ただ「夫婦関係」って人間関係の中でも一番難しいものだと思うので、それだけ真剣に、時間も労力もかけて、学び、実践していく必要があるんですよね。
わたしなりに、いろんな本を読んだりそれをもとに考えたりしたので、その内容をまとめます。
※ここでは読みやすさを優先して「夫婦」という言葉を使いますが、結婚してようがしてまいが、異性婚だろうが同性婚だろうが、そのあたりすべて含んだ「パートナー関係」の話です。
「夫婦関係」とはこの世で一番難しい関係
友達、親子、同僚などさまざまな人間関係がある中で、一番難しいのは夫婦です。
他人なのに、距離はどの人より近いから。
少女マンガだと相手と結ばれたところでハッピーエンドになるし、なんとなく「いい人と巡り合えたらあがり!」みたいに思っちゃうけど、そうじゃないんですよね。
結婚して自動的にうまくいくなんてありえない。
なんにも努力せずにうまくいく夫婦も、もしかしたらあるのかもしれないけど、それを期待してはいけない。
それは、ただのギャンブルだから。
夫婦は、育ってきた環境も違うし、当然価値観も違います。
さらに、結婚して一緒に住んでいるとしても、実は共有している時間って意外と少ないんですよね。
仕事や子育てもあるし。
限られた共有時間をないがしろにしてしまうとたちまち、夫婦関係はうまくいかなくなるんじゃないでしょうか。
パートナーと良い関係を作っていくにはまず、「夫婦とは、人間関係の中でも一番難しい」と理解する必要があるんです。
すべては自分の幸せのためである
次に、前提として思っておきたいのが、「すべては自分の幸せのため」ということ。
たとえば「どうしてあの人が悪いのに、わたしが歩み寄らないといけないの」みたいに思ってしまうこと、ありますよね。
けど、良い関係を作りたいのであれば自分も努力しないといけないし、必要であれば自分は悪くなくても自分から歩み寄らないといけません。
すべては自分の幸せのため。あと、子どもがいる場合は子どもの幸せのため。
相手のためとかは、しんどいときに考えると余計にしんどいから考えなくていいと思います。
自分の幸せにこの人は要らないと思えば、別れてもいい。
でもその判断をするためにはまず、やっぱり、良い関係を作る努力を、自分が納得できるまですることが大事ですね。
※ことわっておきますが、DVとかモラハラとかに該当する場合は悠長なことを言っている場合ではありませんので、さっさと専門家のサポートを受けてください。
男と女は別の生き物である
ここまでは、良い夫婦関係を作る上での大前提ふたつをみてきました。
- 夫婦とは人間関係の中で一番難しいものだと知る
- すべては自分の幸せのためだと知る
さて、いよいよここから、夫婦関係を良くする方法について具体的に紹介します。
これは同性カップルだと当てはまりにくいですが、そもそも、男女の場合、「男と女は別の生き物である」ということも知っておかなくてはなりません。
わたしはここの理解が弱かったから、「どうして、考えなくてもわかるようなことを分かってくれないんだろう」なんて思うことも多かったです。
たしかに、男女格差は問題ですし、女性というだけで差別されたり、その逆もあってはならない。
けどどうしても異なる部分だってたくさんあるんですよね。
生物としてはまったく機能が違うし、機能が違えば社会的にも差が出て当然だし、体の機能や社会的な環境も違えば考え方にも影響するものです。
「男は察してくれない」とか「女は大事なことを説明してくれない」とか、そういう男女の差は絶対にある。
こういう差について、杓子定規に当てはめるのはダメだけど、「これって相手が悪いんじゃなくて、男性だからこう考えてしまうのかな」のように、相手を思いやるための材料として使えればいいんじゃないかなと。
こういう本は、読んで女同士で「男ってバカだよね!!」と笑い合うのも楽しいかもしれないけど、せっかくなら、パートナーのことを知る手がかりとして使いたいですね。
「わかる……!」「こうすればいいのか~」が満載だったのが「夫のトリセツ」。
妻のトリセツもある。
わたしは母・妹・自分の女だらけの母子家庭育ちで、女性が多い職場で働いていた期間も長いため、「女性的なコミュニケーション」つまり共感重視かつ空気を読む・察するコミュニケーションが自分にとって当たり前すぎました。
そして、勉強不足かつ経験不足なわたしは、男性相手に話が通じないと「この人アホなんちゃう?」とか「この人不誠実すぎる」なんてとらえてしまう。
もしわたしが男性的なコミュニケーションについて知っていれば起こらなかった悲劇は枚挙にいとまがありません。
「同じ人間なんだから分かり合えるはず」と思いすぎるとダメ。
男女のさまざまな違いを知ると「あれは不誠実なのではなく、彼にとっての誠意ある行動だったんだな」と理解できるようになりました。
人格ではなく「役割期待のずれ」の問題だと心得る
人間関係がこじれると「あの人はこういうところがダメだから」と考えがちですが、相手の人格を批判し、謝罪を強要したり、性格を直せと命令しても、良い関係は作れません。
対人関係療法の本に「役割期待のずれ」というフレーズがあり、なるほどと思いました。
つまり、相手とうまくいかないのは相手に問題があるとか自分に欠陥があるとかでなく、お互いの「役割期待」にずれが生じている状態だということです。
人格の問題だととらえてしまうと、性格なんてそう簡単に変わりませんし、「じゃ、もう別れるしかないな」と思ってしまいます。
また、「わたしの性格に欠陥があるからダメなのだわ」と自分を責めてしまうことにもなりますよね。
でも、「役割期待のずれ」だととらえると、いくらでも改善できそうです。
お互いに「できることなら改善したい・修復したい」と考えている限りは、改善が可能なんです。
ちなみにわたしが読んだ本はこれ。
伝える努力を怠ってはいけない
離婚が頭をよぎったときからしばらくは、「円満な夫婦にはどのような特徴があるのだろう」「どんな努力をすれば仲の良い夫婦でいられるのだろう」といろいろ考え、知り合いに話を聞いたりもしました。
最近もいろいろと本を読み漁ってみたけれど、結局は、「ちゃんと伝える」というシンプルなことが大事だよな、と。
とはいえ以前のわたしだと「伝えてるのにわかってくれない」とか「伝えてるのに聞いてくれない」とか思ってたんですけどね・・・。
実はここに大きな落とし穴があって、伝え方が間違っているとなんにも伝わらないんです!!
わたしの伝え方は「女性的すぎる伝え方」なんです。きっと。
「なんでわたしが怒ってるかわかるよね?」みたいなあれ。
男性からしたら謎すぎるやつ。
自分ではそんなつもりはなくて、最大限譲歩して、感情を抑え、言い方も超工夫して、「これだけ言えば伝わるだろう」と思ってるんですよ。
けど伝わってない。
相手に伝えるには、前述のとおり男女の違いも踏まえつつ、「わかりやすい言葉で」「ストレートに具体的に」、が鉄則です。
わたし自身、自分では「これだけ具体的に言えばわかるよね?」と思っていてもちっとも伝わらないことが多いので、「いや、ここまで言わせるなよ!!」とちょっとイラつくぐらい、そこまで具体的に言わないといけません。
女性同士だと通じる話し方であっても男性には伝わらないので、事細かに・段階を踏んで・具体的な行動を示したり・自分の感情についてもすべて言葉にして伝える、ぐらいして、ようやく「具体的」と言えるレベルなのだと思います。
逆に男性の場合は、そもそも言わなさすぎのパターンが多そうです。言葉足らずというか。
女性の場合、自分で思う具体性の10倍ほどのレベル感でちょうどいいかと思います。
男性の場合、自分で思う分量の10倍ほどの言葉を口に出してちょうどいいのではないでしょうか。
つまりお互いに、ちゃんと、全部ぜんぶぜーーーーんぶ、言葉にして伝えること。
それを「面倒くさい」「やりたくない」と思うなら良いパートナー関係を築くこと自体をあきらめたほうがいいですし、良いパートナー関係を築きたいのであればそれぐらいの努力は、お互いに必要なんじゃないかな。
まあ、10倍とか書いたけど、元のレベルが人によって違うと思うので、実践する場合はご自身で調整してくださいね。
わたしは元がダメすぎたので10倍ぐらいを意識しています・・・。
良いパートナー関係を築くための、話し合いの方法
良いパートナー関係を築くためにはお互いに、きちんと伝えることが大事で、何をどうしてほしいとか、どれほど大事に思っているとか、こういうことはやめてほしいとか、なんでもかんでも、とにかく誠意をもって、具体的に伝える。
そのためには話し合う習慣があるのが望ましいのですが、話し合いをする上でのコツみたいなものあります。
これは、さきほど紹介した「対人関係療法で改善する 夫婦・パートナー関係」という本を参照し、わたしがまとめたものです。
- 思い込みをやめる
- 言葉で伝える(沈黙では伝わらない)
- 曖昧・間接的な言い方をやめる
- 「言わなくてもわかるはず」は厳禁
- 怒り・暴力はダメ
- 役割期待を具体的にする(例:「誠意を見せてほしい」ではなく、自分が誠意を感じられる具体的な行動を伝える)
- 「提案」「依頼」の形にする(対等な立場で。命令や指示はダメ)
- どちらが正しいかにこだわらない、モラルの問題にしない(どちらも正しい。レベル感の問題。たとえば衛生・節約などの感覚の差)
- 「あなた」ではなく「わたし」の話をする
- 相手の話を最後まで聞く
- 変えるのは「人格」ではなく「行動」
- プラスの行動をほめる
- 話し合いの習慣を作り、都合が悪いときはキャンセルではなく「変更」にする
- 話し合いのルールを作る(例:飲酒する・テレビはつけておく・外で話すなど)
- 過去のことを持ち出さない(隠れている「今」の問題を探す)
- 生まれ育った環境は考慮する
- 話し合いが難しいほどこじれたときはメールにしたり、専門家の力を借りる
長いあいだ仲良く暮らしている夫婦って、こういうことが自然とできていたり、もしくは相当な努力をして二人の関係を築いてきたんだろうな。
個人的に気を付けたいことと、相手にお願いしたいこと
パートナー関係についていろいろ学ぶ中で、特に、心に留めておきたいことがあります。
まず、自分自身が気を付けたいのがこの3点。
- 多くの夫婦げんかは「不安をぶつける側」と「責められたと感じて反撃する側」の組み合わせである
- 相手が悪いのではなく自分が不安なのだと自覚し、不安の気持ちを伝える(相手の落ち度を指摘して怒るのはダメ)
- 相手からの言い訳・反論・だんまり等は「責められた」と感じているが故の自己防衛反応である
次に、相手にお願いしたいのがこの2点。
- 共感とは「同じ感情になる」という意味ではなく受け止めること(例:怒っているときに一緒に怒ってほしいのではなく「怒っているんだね」と言ってほしい)
- 怒られている・責められていると感じたときは「不安になっているんだな」と捉え、「何が不安なのだろう」と考えてほしい
いろいろ覚えておくのは難しいけど、ひとまずこれぐらいのことを意識しつつ、丁寧にパートナー関係を築いていける人間になりたいです。
まとめ
わたしがパートナー関係をうまく築けないのは複雑な事情がいろいろありました。
たとえば、人の顔色を見すぎるクセがあるため、相手に合わせすぎて疲れるとか、相手のために動きすぎて自分を見失ってしまうとか。
育った環境から、理想の夫婦像を持っていなかったこと、むしろ悪い夫婦像が染みついて知らず知らずのうちにトレースしてしまうことなども問題だったと思います。
もしかしたら、ほかにもまだ何か問題が残っているかもしれません。
でも、真剣に向き合って考えられるようになったこと自体が、わたしにとっては大きな一歩だったように思います。
生き方に関わることは、ラクできません。ラクすべきではありません。
手っ取り早く幸せになる方法なんてない。
パートナー関係に限らず、自分自身が幸せに生きていけるよう、一つずつ、丁寧に取り組んでいきたいところです。
※2月はアンガーマネジメントについて学ぶ月間。こちらもまた、ブログに書く予定です。