(FacebookとInstagramに投稿したものだけど、ブログにも投稿しておく)
この本の著者である堀さんと知り合ったのはちょうど2年前のライター交流会in京都。知り合ってそんなに長くない。おかげで、堀さんが昔からmixiなどで書いていたというエピソードは読んでなくて、だから今回の著書では知らないエピソードがほとんどだった(堀さんから直接聞いた話は少しあったけど)。普段はFacebookやnoteでちびちび読むだけだから、本1冊分を一気読みできるこの機会を、わたしは待ち望んでいた。
堀さんと知り合ってほどなく、わたしは堀さんの文章も、大好きになった。忙しくても、Facebookに投稿されているとそれが長文でもつい読んでしまう。
知り合ってからの2年間、堀さんがアルバイトしていた日本酒Barあさくらに飲みに行ったり、プライベートでも飲みに行ったり、日本酒サロンがオープンしたときにはお祝いに駆けつけたり。さらには、わたしは堀さんのお店で「なつみとナイト」を開催させてもらうまでになった。お店の定休日に、お店の鍵も金庫も、決済用のタブレットのパスコードすら預けてくれる堀さんの懐の深さに、感謝以前に驚きでいっぱいだった。もちろん感謝もいっぱい!
そうしてお付き合いいただいている中で、朝日新聞での連載や、書籍化の話もリアルタイムで聞いていて、今回の出版は自分のことのようにわくわくした。3月に入ってからは日に日にそわそわして、書店に並んでるところを早くみたいな、と心待ちにしていた。
堀さんの文章を1冊丸々一気読みできるのが楽しみすぎて、プロモーションのために無料公開されていたプロローグ等も、読むのを我慢した。
発売日の19日、仕事が一段落した夕方から、夜の予定までの2時間ほどを確保して、一気読みした。わたしが読むのが早めなのと、堀さんの文章は味わい深いのにくどくなく、するすると読めるのを知ってるから、多分いけると思った。
のっけから引き込まれて、登場人物に感情移入してグスグス泣いたり、はちゃめちゃなエピソードに声をあげて笑ったり、ジェットコースターのような、エンタメ系エッセイ。いや、書かれている話は婚外恋愛だったり親の看取りだったり、なかなか深刻な内容もあるんだけど、そんなときほどつとめて明るく振る舞う堀さんの様子だったり、それを客観視して淡々と描く筆致だったりに、読んでいるほうは安心して笑えた。
わたしは、好きな文章は繰り返し読む癖がある。たとえばドストエフスキーの『罪と罰』は少なくとも10回は読んだし、英訳版も読んだ(あ、そういえば、作中に出てきた原卓也さんのエピソードは、ドストエフスキー好きとしてはめちゃくちゃ興奮した)。この本も繰り返し読むことになる。ほんとに面白い。これが舞台だったらブラボー!と叫ぶし、これが飲み屋だったらシャンパンを開けるくらいの、素晴らしい作品だと思う。