わたしはライターをしていますが、ライターという仕事は「書く」だけでなく「読む」能力も高くないとできません。
わたし自身は、国語は好きではありませんでしたが得意なほうではありましたし、読書は大好きで、子どものころから活字中毒でした。
作文も得意で書くのも異様に速い。
高校1年生から、国立大2次試験を見越して小論文の特訓を始め、入試本番では時間が余りすぎて試験中に問題用紙に落書きをし、それでも時間が余るので寝てしまうほど(もちろん結果は合格)。
今回はそんなわたしが、読書の際の「読み方」について書いてみます。
調べ物をするとか、資格取得のための勉強をするとか、そんなときにも読み方の使い分けが役立つと思いますので、ぜひご自身でも考えていただければと思います。
※読書習慣が無い人向けに書いています。
ただ漫然と読むだけではダメ!!
本に限らずWebページでもなんでも、「読む」というのは、ただ字を追うだけではダメです。
ただ字を追うだけでは役に立たない・頭に入らない・書物の魅力を活かしきれない……せっかく本を買って読んでいても、読み方がマズイともったいないですよね。
わたしは目的に応じてさまざまな読み方を使い分けています。
こんなにある「読み方」
読み方に関する言葉もたくさんありまして、それらの言葉を紹介するだけでも多様な読み方を知ることができます。
たとえば・・・
- 音読:声に出して読む
- 黙読:声に出さずに読む
- 拾い読み・飛ばし読み・斜め読み:必要なところだけ読む、もしくは分かるところだけ読む
- 通読:全体を通して読む
- 熟読・精読:じっくりと丁寧に、精密に読む
- 速読:通常の速度よりも速く読む
- 多読:多くの書物を読む
- 乱読:手あたり次第読む
このほかにも○読という言葉はいろいろあります。
なお、拾い読みは「一字一字読むこと」という意味もあるんですが、基本的には飛ばし読みや斜め読みと同じような意味で使われることが多いですね。
わたしの読み方
情報収集や勉強が目的で読む場合は、小説のように味わって読むのではなく、正しく意味を理解する・必要な情報を選別するなどの読み方が必要です。
参考に、普段わたしがどのような読み方をしているのか紹介します。
難易度が低い内容を読むとき
難易度は、一般的な指標などではなく、あくまで個人の感覚が基準です。
一般的には難解な専門書といわれそうな本でも、自分が詳しい分野なら「難易度が低い」となります。
さて、難易度が低い内容の場合は、こんな感じの読み方になります。
- 目次で全体の流れを把握する
- 通読しながら必要なところをメモする
読書レポートとしてブログに書くような場合は、引用したい箇所を改変せずに転記しておきます。
なお、メモする際には「引用箇所」「書かれている内容のまとめ」「自分の意見や考察」などを、しっかりと区別してメモします。
後から読み返しても判別できるように。
ちょっと脱線しますが、読書の感想文以外でも、「客観的事実」と「主観」をまぜこぜに書いちゃうの、良くないですね。
客観と主観、事実と推測などを区別して書くと論理的な文章になり、説得力も増します。
ついでに、言葉の意味についても正しく理解し、正しく使用してください。どうしてその熟語をチョイスしたのか、という根拠を持って書きましょう。
このあたりをちゃんと意識した上で書いてくれないとそもそも伝わらないし、誤解を招くし、仕事上で必要な文書などは特に、徹底してほしい・・・。
話を戻して、次の読み方。
難易度が中くらいの内容を読むとき
通読するだけでは理解が追い付かないような、難易度が中くらいの本は、こんな感じの読み方になります。
- 目次で全体の流れを把握する
- 通読しながら必要なところをハイライトする(線を引く)
- ハイライト部分に注目しながら通読し、適宜メモをとる
- レポートとしてまとめる
1回の通読では理解できない場合、「あとでもう1回読みたい」と思ったところをハイライトしながら、とりあえず一通り読んでしまいます。
中くらいの難易度であれば、2回の通読で理解できることが多いです。
もちろん、部分的に理解がしにくい箇所があれば、その箇所だけ精読しますが。
そして、中くらいの難易度の本は、最後にレポートを作成しています。
と言ってもiPhoneのメモアプリを使った簡単なレポートですが。
けど、「簡単なレポート」を、書くのと書かないのとでは全然違う!!理解度が!!
誰に見せるためでもなく、自分の理解を深めるために、簡単な本以外はちゃんとレポートにまとめることにしています。
難しい内容のとき
- 目次で全体の流れを把握する
- 通読しながら必要なところをハイライトする(線を引く)
- ハイライド部分に注目しつつ精読し、適宜メモをとる
- 通読しながら、章ごとなどまとまりごとにまとめメモを作る
- レポートとしてまとめる
難しい本を読むときには、このような読み方をしています。
もう最近、いろいろ余裕がなくて難しい本にチャレンジできていませんが・・・。
「精読」は、じっくりと丁寧に読むことですが、その中には「わからない語句を辞書で調べる」「理解できない部分は別の本をあたって理解の助けにする」などの作業も含みます。
そして、細かい部分の理解を深めた上で再度通読し、今度はもう少し大きなくくりでの理解を進めます。
「木を見て森を見ず」と言われるように、些細なところばかりに気を取られて、全体的な流れや大きな視点を見失っては意味がありませんからね。
より良い読書ライフのために知っておきたいこと
ここからは、読み方ではなく心構え的な話。
本は1冊千円前後で何時間も楽しめるし、ものすごい量の情報が得られたりものすごい質の高い知見が得られたりもするし、読書って非常にコスパの高い趣味なんですよね。
でも、というかだからこそ、「もったいない」という気持ちで読書が楽しめなくなるのは良くないなと思っています。
以下の心構えが必要なんじゃないかな、と。
- 面白くないなら途中でやめてもいい
- 読書メモがたった一言だけでもいい
「せっかく買ったんだから最後まで読まないともったいない」とか思わなくていいです。
良い本に出会うためには、まず「自分にとっての良い本とは何か」を知らなければなりません。
そして、自分にとっての良い本を知るには、「この本は良くない」っていう、ハズレの本ともたくさん出会って、自分の中の基準を明確にしていかなければならないんです。
だから、ハズレの本にあたっても気にしない。
おもしろくない本は読むのをやめて、さっさと次の本を読めばいい。
新刊なら、早く売るほど高く売れるし。
あと、そもそも新品で買わないっていう選択肢もありますけどね。
新刊でない限りは、中古で買うとか図書館で借りることもできますし。
あ、でも、鮮度が重要な本を、図書館で順番待ちして読むのはあまりオススメできない。順番待ちしているあいだに情報の鮮度は落ちてしまうので、さっさと新刊で買うべきです。
読書メモがたった一言でもいいというのも、同じようなことです。
「200ページも読んで、メモしたのがたったワンフレーズだなんてもったいないから、もっとたくさんメモしておこう」だなんて思ってはいけません。
たった一言でも、気になるフレーズやハッとした考え方を見つけられたなら、十分にもとは取れています。
本の隅から隅までぜんぶが最高、なんて本はほぼありません。
現代は本の出版点数がめちゃくちゃ多いので、はっきり言って、ハズレの本もめちゃくちゃ多いです。
だからこそ、イマイチな本に時間や手間をかけるのはもったいない。
ということも心に留めて読書すると、楽しい読書ライフが送れるのではないでしょうか?
まとめ
「読み方」は、多少は学校でも習ったと思いますが、意識せず読んでいる人のほうが圧倒的に多いと感じます。
そもそも読解力がなさすぎる人もすごく多いし・・・。
情報収集や勉強のために本を読むときは特に、漫然と字を追うのではなく、読み方を意識するといいんじゃないでしょうか。