本記事は、noteで有料販売していた記事をブログに移植したものです。
2018年7月31日 16:05
今月4本目の更新です。
今回は、多くの人が気になる「お金」の話。
多くの人が苦手とする「値段交渉」の話です。
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「値段交渉」というと、アメリカのビジネスマンのような、身振り手振りも交えつつ、巧みな話術でこちらの要求を通す、みたいなイメージをしがちです。
そんな場面もあるかもしれませんが、実際の現場はほとんどそんなことはなく。
むしろ交渉の現場そのものよりも、交渉に入る前の観察や戦略が大事なのでは、と考えています。
付け加えておくと、わたしはべつに戦略を練っているわけでもなく自然体で話しているだけなんですが・・・。
ただいろんな人のケースを見ていて、どうもわたしはナチュラルに戦略を考えてしまうタイプみたいで、わたしにとっては「普通に考えたらこうしたほうがいいだろう」と簡単に考えることが、すでに戦略だったりして。
だから、わたしがナチュラルにやっていることも含め、紹介してきたいと思います。
前置きがやや長くなりましたが、今回は、値段交渉の前段階にしておくべき観察についてのお話です。
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タイトルに書いた「財布と権限」。
これがわかっていないと、上手に値段交渉できないと思います。
わたしが伝えたいのは「財布を持ってる人と権限を持っている人を特定しましょう」ということと、「財布を持っている人と権限を持っている人は同じとは限らないよ」という2点。
値段交渉をする場合、「誰に」交渉するのかが大事です。
「クライアントに交渉するんじゃないの?」って思うかもしれませんが、そうじゃないんですよね・・・。
クライアントが法人の場合、相手は1人ではないはず。
普段やりとりしている担当者以外にも、その会社の代表だったり、経理の部署だったり、いろんな人がいるわけです。
その中で、財布担当は誰でしょうか?
財布担当とは、要はお金を出す人。
では、権限を持っているのは誰でしょうか?
お金を出す人と、権限を持っている人というのは同じとは限りません。
会社だと、たとえば予算を決めてくれるのは経理部かもしれませんが、お金を出すかどうかの決定権を持っているのは役員クラスの人だったり、もしくはその担当部署のトップだったりするわけですよね。
もう少し規模を小さくして考えてみてもいいでしょう。
会社の同僚や上司と飲みに行く際、「たいてい、部長がお金を出してくれる」みたいな感じ、ありますよね。
でも、部長が権限を持っているとは限らない。
たとえばムードメーカー的なポジションの後輩が権限を持ってたりする。
その人が「部長、もう1件行きましょうよ~!」と言えば、部長は付き合ってくれる。
その人がもう帰ろうと言えば解散になる、みたいな。
大きな会社であればきっちり決まっているでしょうし、小規模な会社であれば前述の飲み会のように、ふわっと決まっているだけだったりもします。
値段交渉をするときには、絶対に「財布」と「権限」を気にすべきです。
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補足ですが、「お金の出どころ」については、相手が個人のクライアントでも気にすべきことだと思います。
(もちろん法人でも同じ)
個人の場合は財布も権限もそのクライアントではありますが、そのクライアントがどうやって売り上げを立てているのかを考えて、それにそって値段交渉の言い方・切り出し方を考えたほうがいい。
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財布と権限のことを気にしていないと、なんの権限もない担当者に熱心に交渉しちゃって、でも担当者には権限がないから交渉失敗に終わる、みたいなことになります。
財布と権限のありかが分かっていれば、担当者に交渉するにしても、担当者が「財布担当」や「権限」の人に言いやすいように配慮した交渉ができるようになりますよね。
値段交渉が苦手な人は、まずこの2点を意識してみてください。